高校の統廃合が進む大阪府
大阪府が抱えている問題で、3年連続で募集定員の定員割れで府立高校の統廃合が進んでいます。
大阪府の松井一郎知事はこの問題に対して
「定員割れを何年も起こすというのは、その学校に魅力がないということ。その学校に通うことは生徒自身の成長につながらないと判断している」
と説明しています。
そして実際に府立高校の統廃合が進んでいます。
開校からわずか38年で廃校が決定した大阪府立大正高校。
大正高校は募集定員は240人ですが今年の入学者が224人に留まり、3年連続で定員割れとなったことを受け、大阪府教育委員会は9月5日、大正高校について2018年の新入生を募集しないことを決定しました。事実上の廃校となります。
大正高校ではこれまで、高校の魅力上昇に努めてきましたが、少子化などの影響もあり、定員割れを防ぐことができませんでした。今後は、同じ区にある泉尾高校と統合されることになります。
同じく、3年連続で定員割れし、来年の入試で募集停止が決まっているが大阪府立西淀川高校です。
この学校では「学び直し」に重点を起き、ホームルームの時間を使って小学生レベルの授業を行っています。
大阪府の松井知事も3年前、定員割れの原因を探るべく、視察を行っていました。
知事が視察しているにもかかわらず居眠りしている生徒がいたり(知事に起こされていた!)、知事にタメ口をきいている生徒もいました(笑)
西淀川高校は今後、北淀高校と統合し、「学び直し」がカリキュラムに含まれているエンパワメントスクールとして再出発することが決まっていますが、各高校は厳しい生き残りを迫られているのが現状です。
エンパワメントスクールとは?
エンパワメントスクールとは「生徒の力を引き出す高校」という意味で、
社会人として必要な「基礎学力」「考える力」「生き抜く力」をすべての生徒に身につけさせることが目的で作られました。
一言で言うと、学び直しですね。小学校段階から学び直して、高校の最低限の学習まで追いついてもらうのが目的です。
具体的には、国語・数学・英語は30分X3の授業で「つまずいたところを学び直す」ことが目的です。
さらにタブレットなどを使い勉強の面白さを体感してもらい、学習意欲を高める授業もあります。
これはすべてカリキュラムに含まれています。
大阪府でのエンパワメントスクールは
昨年度は西成高校、長吉高校、箕面東高校
今年度は成城高校、岬高校
来年度には布施北高校がエンパワメントスクールという位置付けとして開校します。
要するに高校で小学校、中学校の勉強を再度やるということみたいですが、これを大阪府の小中学校の先生はどう思っているのでしょうかね。ちょっと気になりますが・・
今年度の入試倍率は?
こういった中、大阪府の今年度の入試倍率にある現象が出てきました。
それは、学校の人気の二極化です。
進学に力を入れている高校(難関大学を目指す高校)で入試倍率が高かったのは
四條畷高校・・1.54倍
高津高校・・1.51倍
北野高校・・1.20倍
そしてエンパワメントスクール(学び直し)で入試倍率が高かったのは
成城高校・・2.18倍
長吉高校・・1.51倍
岬高校・・1.30倍
と、人気が二極化しているのが現状のようです。
こうなると、ちょっと言い方が難しいのですが、どちらにも属さない高校の入試倍率が定員割れを起こしています。
茨田(まった)高校・・0.96倍
長野北高校・・0.96倍
勝山高校・・0.83倍
定員割れしている高校の問題も大事ですが、エンパワメントスクールにここまで人気が出ると、この高校で卒業できなかった生徒に対しての対応が今後の課題になるのかも知れません。
エンパワメントスクールに人気が集まる背景には、大阪府の義務教育のやり方を抜きにして考えることはできないと思います。
子供達が義務教育からしっかり勉強するというシステムや雰囲気作りが今後の課題になるんでしょうね。
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