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二重ローンの問題
熊本地震では、阪神・淡路大震災を受け、厳格化された身体新基準で建てられた木造家屋10棟が全壊しました。
ローンの残っている住宅が全壊、半壊などして住めなくなる。修繕などのためにさらなるローンを組む必要があり、生活が困窮。または、家を手放さざるを得なくなる・・
「二重ローン」の問題
全壊した家のローンは払い続ける必要がある
修繕等のため新たなローン、または賃貸物件の家賃
→生活が困窮、自己破産・・・
二重ローン問題は阪神・淡路大震災の時にも大きな問題になっていました。
阪神・淡路大震災時は二重ローン対策として、新たなローンへの「利息補給」や「低利融資」が行われました。しかし、収入が少なく二重ローンそのものが組めなかった人や、二重ローンの末、自己破産した人も多かったそうです。
そうした状況を踏まえて、東日本大震災時は弁護士らと金融機関が話し合い、「被災ローン減免制度」(自然災害債務整理ガイドライン)を作りました。
どういうものかというと・・
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「被災ローン減免制度」とは?
被災者の手元に、生活再建支援金、義援金、災害弔慰金のほか、最大で500万円の預金や地震保険金の家財相当部分を残して債務の減免を受けることができる制度です。
信用情報登録機関では、いわゆるブラックリストに登録されず、その後、お金を借りられなくなる心配がありません。連帯保証人に迷惑をかけずに済むなど、自己破産するよりもメリットがあります。
被災者に大きなメリットのある制度ですが、東日本大震災の時に実際に利用されたのは、1400件程度にとどまりました。(弁護士は10000件は来るだろうと予想していた)
東日本大震災の時に「被災ローン減免制度」の利用が伸びなかった理由は、制度ができるまでに時間がかかったからだそうです。制度ができたのは、震災発生から5ヶ月後の2011年8月。その間に、多くの被災者は金融機関とローン返済の見直しを行っていました。(見直しをされたケースは1万6000件を超える)
元々は、東日本大震災の被災者のためだけに作られた制度でしたが今後の災害時にも利用できるようにと、今年4月からは「災害救助法」が適用されました。地震や水害などの自然災害にも適用されるように制度化されました。
そして、熊本地震が、その適用第一号となったのです。
しかし、被災者がこの制度について知らないケースが多いといいます。理由として、
・金融機関にとって不利になる制度であるため、積極的に広報するわけではない。
・弁護士会などが被災者に知らせる必要がある
さらに、金融機関がガイドライン通りに応じてくれるかという問題もあります。
・被災前から、経済状況が悪化していたケースなどはそれを理由に制度の適用を断られる恐れも。
・弁護士会とは、できる限り多くの被災者が救済されるように働きかけている。
もしもの時のためのポイント
「被災ローン減免制度」を使うには、最も多くのローンを組んでいる金融機関に自分で申し出る必要があります。
制度を使うと、最大で500万円の預金と義援金・支援金・弔慰金などを手元に残した上でローンの免除や減額を受けられる場合もあります。焦って、地震保険などでローンを一括返済や繰り上げ返済はしないことが必要です。
「罹災証明」は支援金の支給雨学などに関わるもので、片付けをした後だと、認定が低くなる傾向があります。片付けの前に被災状況を写真に残すことが大切です。
総務省の窓口はこちらです。
かかりやすい説明はこちら(NHK解説委員室)
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